薄いグレーの幕を纏って日陰る太陽 路地裏の暗澹と灰燼 アスファルト斜めに決って街を行けば 遠くビルの先に響く雷鳴 急な雨に打たれて ずぶ濡れになって寄れたシャツが 肩に臨み掛かるようだ 脳裏先を伝って 色取り取りの傘を分けて 彼は夜の端に滑り込んだ 擦り切れた帳を降ろして沈む太陽 闇に灯るピンクのネオンサイン アスファルト舐めるように街を行けば 交わす舌の先が痛み出して ドロドロになって 境目が曖昧になって溶けた夜が 体を包み込むようだ 街灯を避けて 行き交う人波を分けて もう彼女は暗闇を抜け出したんだ 何を悩んでいるんだ 彼は誰 何を欲しがっているんだ あの子は誰 君は誰 彼は誰 あの子は誰 君は誰 もう凝り固りなんだ さあ、今心を脱ぎ捨てて さあ、今言葉を脱ぎ晴らって さあ、今ここからまた さあ、今さあ、今 悲しみが翼手を羽ばんでも 戸惑いが君の手を引いたって さあ、今ここからまた さあ、今僕らどこまでも行けるさ 何処へも行けるさ さあ、今 今、ここから