フラメンコ (flamenco)

Betcover

Composición de: Jiro Yanase
赤い靴を磨く
また静かに遠ざかる夏に
生臭い犬が俺を掘り起こすまでは
朝から晩まで靴を磨く
また静かに遠ざかる夏に
山椒の匂い脂肪
生命保険が吹き抜ける
死神ついたモデルの女よ
振り向いて

日が落ちてやりたい時に
刹那さが別ればいい
日が落ちて目をそらすお前の素肌に
沈みゆく黒い星

街中そこらで感じる
洗濯の気配に包丁を合わせる犬
一斉に鳴り止むフラメンコ
君の心知ったに
拳したフラメンコは
低い所を打つ風も妙に厳しい
考えなしに立つ街灯に
生臭い犬
その横で網元垂れている俺には
君たちの愛がうっとうしい
縁突き向きがおかしい
ひな菊の向きがおかしい
笑う君の何かがおかしい

日が落ちてやりたい時に
刹那さが別ればいい
夢言葉比べに飽きる頃には
お前を許せたらいい

お前を許せたら
赤い靴を磨く
また静かに遠ざかる夏に
置いてかなくちゃいけないものは何
猛直地獄の門が開く
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