いつもこの部屋にうそつきの誰かがいた しかも本当のことを聞く誰もいなかった 複雑な巣を織る あらゆる結び目で舌を重くさせる この部屋に僕のことじゃない声がある つかめる前にいつも指を抜ける もつれた端、僕のアンカーだから もうそのことを思わなくてもいいだ つかめた前に引き下がった もうそのことを思いたくなかった いつもこの部屋にうそがあった しかも本当のことがなかった