ぼくのつくったオルゴールは ほかのだれのものよりも きれいなおとをならしていた ひとびとはぼくのことを そんけいのねんをこめて くろくわあかあとよんだ あいするこんやくしゃと だいじな妹 ふたりがいつもそばにいた じぶんはせかいいちのしあわせものだと ぼくはかみにかんしゃした ふたりのためにつくろう さいじょうのあいをこめて とびきりじょうとうな ぼくのオルゴール さんにんがあゆむだろう みらいにさちおおかれと ぜんまいにそんなおもいを つめこんだ いまはもう なることのないオルゴール このくにではよりつよいまじゅつをもつものが じょうおうとなって すべてをえるときめられた あらたなしはいしゃこうほとして えらばれてしまった こんやくしゃといもうと はぐるまがくるいはじめた にくしみあうふたり まじゅつなどそんざいしなければ さいあくのけつまつぼくがみたものは ちにそまったオルゴール きんいろのぜんまいが ゆがんだオルゴール ならないメロディーは きみへのあいのうた たおれているおんなと なきさけぶおんな どちらもあいしていたのに あいしてたのに いまはもう なることのないオルゴール かつてくにがあったばしょいまははいきょ しょうきおうしなったろうじんなにかをつくる なにをつくっているのかとたびびとがたずねた ろうじんはこたえるオルゴールだと だけどそれは ただのがらくたにしかみえない うすよごれたくろいはこだった