もし私を殺めるなら 真夏の暑い日にして欲 しいの そして私の亡き骸はせめて一月放置して 数時間で蝿たちが 私の死臭嗅ぎつけて集ま る そして私に沢山の子供たちを託すの 子供たちは素晴らしい食欲で速やかに 腐りかけの私を細かく分解する そして私の心も細かく分かれて 幾千幾万の蝿に宿る 飛びたて 私の気持ち羽音に乗せて 飛び散れ 街中に不浄 振り撒け 羽化をしたら真っ直ぐに貴方の元へ飛 いくわ 白い壁が真っ黒に変わるほどの大群で 昼も夜も四六時中 お構い無しに貴方にたか りたい そして貴方の耳元で恨み言をささやくの こんなはずじゃなかったとか苦しかったと か まだ死にたくなかったとか大好きだったと か ヤワな貴方の心 すぐに砕けて また安易な方へ 逃げ込むでしょう 飛びたて 私の気持ち羽音に乗せて 飛び散れ 街中に不浄 振り撒け 耐え切れなくなった貴方は自らの手で 命を絶ち私から逃げていくのでしょう 残された貴方の体 子供を託すわ 幾千幾万の二人の子よ 飛びたて 私の気持ち羽音に乗せて 飛び散れ 街中に不浄 振り撒け