やさしいことばを なくしたやみのなか さいごのいのりも しずかにきえていった よあけはとおく きみはひとり でぐちのない ゆめのなかで なみだだけが みちをてらした だれにもとどかず くちてゆくうたがある かなしみひとつも かなでられずにおわる こえもなく きみはただないた のいずがとぎれて だれかがかずをかぞえた ひかりをもたらすさだめのひとはこない よどんだじかんは まだらにこおりついて おそれをといだやいばをてに だきしめあうかたちをして きみとぼくはきずをかさねた どこにもとどかず きみのこえはついえた きえゆくことさえ だれもきずかぬままに むぞうさにすうじをふやした いつかひかりのなかで そばにいてくれるとしんじた かたちのないぼくたちは かたちのあるせかいへと いつかかえるみちをさがした わすれてしまった やさしいひとのこえを さがしてさまようみちはどこまでとおい こえもなく きみはただないた みちはやがてとだえた