雪の降らない街 うきらいだよ。冬は寒いから。と話す君に うことしから、冬が好きになる！とあげたコート 袖を通したり床に広げたりはしゃぐ笑顔 連れて部屋を出れば 白い冬が街に降りてきた 雪の降らない僕などの街に 二人手と手を重ね見上げた 空一面の粉雪 三月の風が窓の隙間光る頃に 少しずつ片付けたこの部屋広いんだね 二つずつのものが一つになれば 心さえもいつか一つずつに そっと笑いかける君の顔 今は小さなフレームの中 壁にもたれたレコードの裏 戻らない時の記憶 ざわめく夏が彩る秋を越えて やりきれない静けさの中で曇る窓に君思えば 白い冬が街に降りてくる 壁に並んだ二つのコート 袖が重なりまるであの日の 僕とあなたのようです いつも同じ言葉で結んだ 届くはずのないこの手紙を 今日も机の奥にしまった できることなら今すぐ この冬空を駆け抜け あなたに会いに行きたい