船は出てゆく 勇壮の調べを聴きながら 破れ去り立ち尽くす者の心を知らず 沈み返る高台な大地に刻みつく 悲しい爪痕がこの胸に染みる ちぎれた黒い雲に祝福の讃美に 戦いを終えた砦はざんされてゆく 流れる白い砂に埋もれてく身体 花は落ちて殺伐とする無人の城塞 あの日私が他の選択を切り捨てて 君を選んだら変わったと言うの 正しいのは自分の方だと強く信じてた 固く繋がった手をすべて失くすまで 踏み外すこの足を許しあえないなら 何のため門は開いて招き入れるの 流れる白い砂に埋もれてく花は 首を失った後輩の海に沈む城塞 この胸に咲いた一輪の花が 音もなく崩れ叫び上げている 温かく揺れている君の面影も この私を呼び戻すベルにならない 愛しい人よ せめて私を斬る時は 瞳開けて滅びゆく瞬間まで見とって ちぎれた黒い雲に祝福の讃美に 戦いを終えた砦はさらされてゆく 愛しい人よ君に出会えた喜びに 花咲かせた穏やかな私はもういない