母の腹を裂いてまで
出てきたこのしゃばこの世界に
母の痛みに見合うだけの
意味を意義を残せる気持ちなくて

おなかのへそのおがとれた時
からもう人はみな迷子
たとえて言うならそれはまるで
ひものとれたたたこが空にはばたくよう

最近よく戻りたくなるよ
三度通って帰りたくなるよ
でっかくなって戻ってきたよと言って
探したって居場所はないよ
そんなもんどこにもない
ここにあるのは見渡す限りの宇宙だけ

この広大な世界の真ん中に
この小さな社会の隅っこに
置き去りにされたこの身の
やり場を知る術もなくて

迷子と迷子がすれ違う旅
ひとつ、またひとつと道は増えて
入り組んで行くだけの迷路を
誰かがふと世界と呼んでみたんだ

あっち行こうよ こっちに行こうよ
あっち行けよ、こっち来るなよ
それならばあっちに行こうよね？そうしようよ
どっちに行こうと袋小路
見つかりっこない広小路
後ろ振り返れば果てのない歴史が

罪あがった最月の戦闘に
朽ちてゆく時代の最後尾に
置き忘れられたこの身の
振り方知る術もなくて

迷子が出した答えの数だけ道ができた
道が交じったとこに異界が生まれたんだ
いつだって勝者の残した言葉が歴史になった
そう僕みたいな敗者が残した言葉なんか

煙に巻かれて行く流れて行く葬られて行く

毎日何かを食べてまで
しがみついているこの世界に
誤りた命に見合うだけの
価値が意味があるとは当て推量できるはずもなくて

越えてきた日々由来だとて
立てた誓いが明日を閉ざしたとて
慰めだろうか勉強のか
時は流れを速めるの

何言われようがその手その足縛られようが
その足が向いた方がいつなんだ嫌って前になんだ
前ならって言われようが気付いたらビリになっていようが
後ろ振り返ってみりゃほら戦闘にぶっ切って立ってるんだ