細長い坂を駆けた
重ね着のコートを脱いで駆け抜けた
夕暮れの帰り道で
独り言をつぶやいている
君のいない街に
初めての季節
伝え損ねたこと
もう覚えていないや
茜色に染まるから
今日も明日もその思い出も
奇跡はいらない
荷物になってしまうでしょう
気づいていた僕の心が
新しい何かを求め
始めていることを
夜の匂いに変わったら
進む支度を始めよう
奇跡はいらない
踏み出せなくなるでしょう
そういえば君が泣くのを
見たことなかったな
そんな子と考えてたら
そりゃ日も暮れるよな
よそ見して結びついても
今更だ
振り向くことなかれ
茜色に染まったら字の
言葉を見つけよう
奇跡は起きない
理由がないからね
茜色に染まるから
今日も明日もその思い出も
奇跡はいらない
荷物になってしまうでしょう