もう名前なんて要らないから
僕の理解者を造ってよ
ただ一人、一つだけでいいのです
ヴィクター

害虫と愛猫 命は等価ではない
人は何を以て命を区別するの？
心の有無？ 記憶の有無？
意思疎通の有無？ どれでもない
嫌い or 好きの生理的外見区別、故に差別

醜いを淘汰した美しい世界だから
人は慈愛に満ちた生命に見えた、だけど
汚れなきその瞳で、石を投げたんだ一見hitomiで
「嫌い嫌い」って、まだ話してもないのに

もう名前なんて要らないから
僕の理解者を造ってよ
ただ一人、一つだけでいいのです
ほら名前のある感情が
継ぎ接ぎの心、溢れ出すから
「愛」を「相愛」をください

問う
なんで命を造ったの？
なんで造って見捨てたの？
僕は「生まれてきたい」って
貴方に願いましたか？
ねえ、僕の孤独を解ってよ
絡みつく絶望を解いてよ
寒い夜にスープを分けるような些事を夢に見るの

名前なんて要らないから
僕の理解者を造ってよ
ただ一人、一つだけでいいのに
果たされない願いだと
心の何処かで解っていた
だってこれは、本当の願いですらないから

嗚呼、ヴィクター、意義を
存在に意味を
「愛」を「相愛」を、たった一人でいいから愛して=愛したい
嗚呼、ヴィクター、僕を捨てた貴方の名前が
僕の名前として語り継がれてる皮肉だね
だって怪物ぼくが本当に欲しかったのは
ヴィクター、ヴィクター
親の愛だった