ひきだしの奥なんかじゃない
カーテンの裏なんかじゃない
そんなとこじゃない
いつか教室におきわすれた
いつかオルガンにおきわすれた
詰め込みすぎたポケットの奥に
ぼくをみつけてねはやく
右まわりの針はとまらない
ぼくをみつけてねはやく
ぼくがぼくをまだおもいだせるうちに
よーいどんではしりだす
もうとまることはできない
はじまりでつまづいてもう
ひきかえせはしないんだ
ほんだなのすきまなんかじゃない
テーブルのしたなんかじゃない
そんなとこじゃない
いつか校庭におきわすれた
いつかぶらんこにおきわすれた
いつかの光でてらしてあげる
ぼくをみつけてねはやく
カウントダウンはとまらない
ぼくをみつけてねはやく
ぼくがぼくをまだあきらめないうちに
よーいどんではしりだす
グラウンドにひびくくつのおと
はじまりでつまづいたひざは
気にもとめずはしるんだ
よーいどんではしりだす
夕方のチャイムはきこえない
ぼくらの声はたからかに
ふみだせないぼくをわらうんだ
なつかしいきずあとをゆびでなぞってみた
ぼくもまたぼくにわらいかえした