くろくもをそのみにまとい
うしみつにさえずる
そのやみはまさにくろい
まがつごとをやまとおびる
めいげんのかわいたおとに
かすかにまじりて
たましをよばいものす
さみしげなこえがおよぐ
おたがいをかぜにのせてさらしあげる
このいとあけをうばる
むきだしのきもをなでつけ
ぬえがわらう
ぬえがうたう
[Bikkuri ni hikaru sono me wo tsugushi
きっかいなるからだを
なますときりきざんでも
ざんえんながらむねなり
それはぬえではござらね。]
ひとにかくれたおにごのまつご
ききるころもでふらふらと
さとにまぎれたおなごのまくら
あいもかいとてはらはらと
やとにやかれたやとうのやじは
やぐらやむりてやれやれと
うたかたみなわの
おりしもきゆるまぎわ
あかめにさしこみ
くれゆくわれをなじる
うたかたみなわの
おりしもきゆるまぎわ
かばねをさしこみ
ましばにわれそまる
ましばもあけにそまる
ぬえがわらう
ぬえがうたう
ぬえがもどる
ぬえがむせぶ