あの日みたいな顔して
あの日みたいな夕暮れ
風がやんだ海原は
六時半の青さで
雨上がりの匂いとか
胸をさらう懐かしさも
切なくてもう帰れない
愛しさだけ確かめあった
耳澄ます旅
置いてきた思い出は歌い
忘れてしまうならいっそ海へ流そうか
渚に二人
泡沫の夏は過ぎて
このまま
波間に消えそうな夕陽に祈るよ
慰めじゃなくて
あの日みたいな恋して
あの日みたいな夕暮れ
宵のヴィーナス儚く舞い立ち出す
この一瞬を指で砂に描いた
波音だけがうるさくって
夏の亡霊が手招くんだ
記憶についてもう離れないや
小さな日々に
ずっと笑っていられますように
言葉を隠してふっと息を吐き出した
渚に二人
泡沫の夏は過ぎて
何度も嘘だってついて脅かしても見るよ
笑ってくれるなら
ここにいる不思議
今のすべて時よ止まれ
涙がなんだか落ちそうな夕陽に祈るよ
寂しさじゃなくて