親からもらった両の目だけど
どうも僕にはしっくりこない
それに代わる目を選んだりした
カタログもぼやけてるけど
パパにもらった右側からは
灰色しか見えないようで
ママにもらった左側はもう
僕だけじゃ見えなくなる
最後に見たのは鋭い
無機質で錆びた瞳
転がるゴミと違わないような
受けた愛が痛くて
汚く生きるつもりもないのに
足元に転がる傷跡も見えず
水がないと飲み込めないくせに
苦い言葉ばかりつかう
目のない僕を目の敵にして
右手差し出す声がした
足音のは基本噛みつくよう
ゴミ箱で学んできたから
声をかけるなんてもってのほか
喉から出せる音もない
街行く人混みの数と
残る傷の数が同じ
転がるゴミみたいな生活に
そろそろ慣れ始めて
汚く生きたくはなかったのに
両目からこぼれた愛を踏み潰す
涙で花が咲くわけなくて
冷えやかすつもりで愛を語って
耳をふさいで膝を抱えて生きてきた
幸せの意味も知らず
転がるゴミを眺めてるような
その視線が怖くて
逃げ出す人から壊れていく
ばら撒いた部品がゴミに混ざりあう
せめて許してくれるなら
僕を愛して欲しい
最後くらいはキレイに死にたい
両目から零れた愛も雨に消え