むかしむかしあるところに
うみのむこうのおうこくの
すべてのむすめがみとれるは
よわいじゅうはちのおうじさま
けんらんごうかなちょうどひん
みめうるわしきめしつかい
くにのいきおいはすさまじく
てにはいらめものありはせむ
こいのあいてはかずしれず
こよいひとよかぎりのどぎ
おうじにみそめられるものは
いまだにあらわれる
さあ、こちらへおいで
よるのはなあやしくさく
あざやかないろどりで
ちかよるむすめはかずしれず
ああけれどにどとえらばれはせむ
さびしきおうじはきこしれず
しんどんでりんごくのじょうかへ
みどりのおんなはだれひとり
おうじのことなどしりはせむ
あるうらどおりでうんめいの
いたずらでであったふたりは
とつぜんこいにおちました
みぶんちがいのはかないこい
よるなよるなでかけるおうじさま
かしんたちもきづきだす
あいてのおんなは「そのむすめ
きしてゆるされるこい
どけ!じゃまをするな
よるのはなあやしくさく
くるおしいいろどりで
まわりのせいしをふりきって
ああこよいもかのじょとしのびあう
だいじんたちはさくをれる
おうじにないみつにかんこう
あくぎゃくひどうの「きのくに」の
悪のむすめ」をとつがせよう
きのくに」のだいじんたちは
あつかいやすくりようできる
きにほろばされるりんごくは
さいじゅうてきにはてにはいる
いくたのいえがやきはらわれ
いくたのいのちがきえていく
かれんなみどりのあのむすめ
あえなくちにそまる
うそだ、そんなはずはない
よるのはなあやしくさく
かなしげないろどりで
かれのあいしたみどりのかが
ああそのむくろにすらふれられむ
むかしむかしあるところに
うみのむこうのおうこくの
きさきがこいした「きのおうじ
ひとよかぎりのあやまちの
しじつをけさられたそのむすめ
みどりのくにについほうされ
なにもしらされずはぐくまれ
うんめいてきなこいにおした
しんじつをしるは「きのくに」の
悪のむすめ」のつきおおきな
すべてはだいじんらのしわざ
おうじはいをけす
ああ、ぼくもゆくよ
よるのはなかれんにちる
あざやかないろどりで
ちよりもこいしんじつのあい
ああふたりはねんだんでむすばれる