ほのぐらい
きりのなか きえてゆく
かげをみおくる
てをふった きれいなカーブが
いつまでも ゆれてる
うつくしい あさは
だれかをおくるために
あるのだろう
むねをついばむ
あまいほうせきを
またひとつぶ のこして
ついおくの
ざらりとした
てざわりに
ゆびをはわせて
きらめいた
まひるのほしを しずかに
よるへおとそう
たわむれる きおくのなか
なにもとどかない
えいえんとよくにた
ゆめのとりでに
(あのひ) のかぜがふく
ひたいをぬけてゆく
みがかれた じかんのわな
ついおくの ふかく
もうなにもいらない
かおのない こえと
まぶたをすべる
みえないゆびさき
やさしさだけを
つなぎあわせた あなたは
なまえももたない
(めへや まへや
さりあ ええや は ま はは
さまりて みあ へ へや
さまりてぃあ
あさは)
びんのなかにある そらは
もうすぐ ひぐれて
きんいろの といきを
ただくりかえす
いちばんしあわせな
ときをさがしたら
よくばりなこどもは
どこまでかえるのだろう
もりのほとりにある
にれのきのしたで
あいのしぐさだけを
ただくりかえす
なつのかぜ すぎゆく
ひたいをぬけてゆく
おとのないそらから ふる
ことばのないうた
もうなにもいらない
うつくしいきおくのくにで
ついおくのうたげをはじめよう