スポットライトはどこかのスターのもの
火のあたらない場所をぼくは生きてきた
降り注ぐ白い月明かりにさえ
肩をすぼめては目を閉じてきた
きみがのった最後の夜汽車が
ぼくの街を通り過ぎる

拍手が鳴り闇客がいなくなっても
歌い続ける悲しいシンガーのように
ぼくはいつでも冷たいきみに
苦い涙を歌い続けた
きみがのった最後の夜汽車が
ぼくの街を通り過ぎる

ぼくが寂しいって言ったら
あの人はバカねってそっと笑った
頬に優しく手をやりながら
ぼくしかいないって言ってくれた
きみがのった最後の夜汽車が
ぼくの街を通り過ぎる

白い月明かりのその裏側で
ぼくは歪んだ顔を洗った
白い月明かりのその裏側で
涙の欠片を洗い落とした
きみがのった最後の夜汽車が
ぼくの街を通り過ぎる

きみがのった最後の夜汽車が
ぼくの街を通り過ぎる