みずうみ、しずかなひのひるさがり、きょうもたいくつなAliceはおちつかない
へいぼんであいまいななみまには、あきあきだとなにかしらをまちわびた
するとそこにあかいめのしろうさぎ、くびにさげたとけいをきにしあそぐらしい
あきらかにまにあわないといいのこし、あしばやにはやしのなかにのはしりさる
Aliceはなにかありそうだとたちあがり、そのようすにおどろくよりこころおどる
さそわれるようにうさぎのあとをおう、さきにたつこうきしんではしりだす
うさぎはきゅうにおおきなあなへとびこんだ、つぎのしゅんかん、もちろんAliceもだ
どうしたらまたこのせかいへもどれるか、そのせつなではかんがえものしなかった

うすぐらくしたへとつづくどうくつを、くうちゅうをふゆうするようにおちていく
ゆがむじくう、spiralにゆがみだす、ゆらりまうむじゅうりょくのうちゅうのりょこう
そのさいなか、こんらんするあたまのなか、からだもただらっかするまつさかさま
そのあなはまさかちきゅうのうらがわまで、つながるのかとうたがうながさだった

やみをきりさきいきなりちにあしがつき、なぞにくるまれたばしょにたどりつく
おりたったのはほこりだらけのふるいへや、だれもいない、あるのはとびらだけだ
そのどあのむこうがわからなにやら、なりやまないおとがする、たしかだ
いきのつまるきんちょう、みみをすます、だがせいかくにききとるはのしなかった
そこでAliceはどうあんぶにてをかける、おそるおそるのぞきこんでめをあける
そのとたん、みずからのめをうたがった。なんとそこはみどりのもりだったのだ
ひとりそこにたたずみかたずをのむ、きづけばAliceのめはくぎづけだ
いろあざやかなさまざまなはなばなが、たからかなおくたーぶでうたっていた

サルビアがAliceにはなしかける。「あなたはだれ？ここでなにをしているの
わたしはAlice。うさぎをおってまよってます。それよりもここはいまどこかしらか
ここはふしぎのくに。そのさきはあなたのめでたしかめるといいわ
わかりました、ひとつだけおしえてください。あなたがたはなぜうたうの
そのことがしりたいかいAlice？」かんなびすがわってあいりおどろかせた
わたしのはにふくまれるTHCは、それがきみにいいけしきをみせてくれる
これをすうときぶんがちゅうにうくよ。」とちゅーりっぷがきゅういんをさしだす
ちゅうしんぶにもられているみどりのは、やくそがやくそくするいこいのば
とまどいをまとうながらもなすがまま、Aliceはひをつけてひとついする

きゅうしゅうしすうじゅうびょうたったころだ、Aliceのみにわきあがったたこうのかん
しあわせにみたされたいような、いままであじわったことがないこうかだ
リラックスしふあんからりだつする、きがつくとびやくのみにわくに、とりこになる
ときをみだすしょうりょこう、げんそうのえんそうのほんのうのじょしょう
さあAliceきぶんはいかがかな
しんやかなこのあじをしっていれば、はれてきみもこのくにのじゅうにんさ
ふういんをときじゆうになるんだ

そうのべたかんなびすのすぐそばで、うつろなめをうるおわせAliceがいう
みちがえていきかえったきぶんです。あなたがたのおかげであたまったわ
もういくわ、なにかとありがとう
そうはつげてたちさろうとしたそのとき。かんなびすがぼそ～つとつぶやいた
つめたくなってはいけないよ
そうさいごにくぎをさしてきたが、いみしなひとことにくびをかしげる
いつまでもうかうかしていられない、ふたたびうさぎさがしにむかうあし

ときのながれがつかめないもりのなか、もぐるようにしずかなおくふかくへ
きづかぬうちにあるきつかれていた、いつまでもみつからずにのいきずまる
ろとうにまよいとうほうにくれていると、とうとうあるものをはっけんした
なにかと思えばうさぎのあしあと、それをたよりにたどりながらすすむと
めにとびこんできたのはおおきなしろ、ひとつじのきざしのようにみえた
きっとうさぎはあそこにいるにちがいない、あしがいたいのもわすれてかけよると
しろのもんのまえにはみはりがふたり。いばりながらにらみつけるとらんぷのへい
ほんでよんだらんぷのせいとはちがって、ねがいごとをきいてくれるけはいもない

わたしはAlice、このおしろにはいったい、どなたがすんでいるの？」とたずねると
なんだおまえ、じょうさまをしらないのか？」とすぺーどがうでをくみこたえた
にんげんかいからうさぎをおってきました。」つたえるとこんどははーとがいう
どうりでふうがわりなでたちだ、だがにんげんはこのさきにはいけないんだ
どうしてです、どうかとうしてくださいます。」とないてもうけいれてもらえず
さあはやくじぶんのうちにかえりな。」といいかえされおいかえされてしまった
とぼとぼともとのほうにもどるAlice、そのもようをながめすぺーどはおもう
しらないほうがいいこともあるのさ

そこではあきらめるAliceではなかった、こっそりとしろのうらへまわった
ちいさなからだならとおるぬけみち、くぐりぬけでしのびあしでしろにはいる
あかいばらがにわをうめるしきちない、みつかったときのことはきにしない
いけがきのめいろはぎぐざぐ、ふくざつですすみずらくのしくはく
つきあたりのかべのまどにすきまがあり、それをみておもわずのふくみわらい
ふくにからみつくいばらをふりはらい、Aliceはついになかにしんにゅうをする
するとめのまえにはらせんかいだん、じょうないさいじょうかいにかけあがりだす
のぼりきりおどりばのどあをあけると、またしてもAliceはめをうたがった

なんとそこはきょうだいなこうじょうだった。おおせいのとらんぷのろうどうしゃが
むきょうじょうでぱっくはほうそうしては、もくもくとこんべあにながしていく
かたわらにはたいりょうのしょくぶつ、そのこうけいにおどろいてこうちょくをする
れいせいにAliceはせきをはらった、めにとまったのはこかのきやけしのはな
とらんぷたちはしょくぶつをていねいに、せいせいしてしろいこなをつくっていた
それがいったいなにかはわかるには、Aliceはまだあまりにもわかのすぎた

とそのとき、こえがひびく「しんにゅうしゃだ。」みつかった、あわてふためくAlice
おおいそぎでかいだんをかけおりる、まえもみず、ころびそうになりながら
だがしたからおってがのぼってきた、みあげればうえからもおおせいが
はさみうちであっというまにかこまれて、てーぷとなわでとらわれてしまったのだ

れんこうされたへやはごうかけんらん、きらきらとそうしょくがきらびやかだ
スフィンクスのいすにすわるじんぶつ、どうやらこのおうちょうをしきるじょうだ
どうどうとみにまとうくろいどれす、まっさおなほのおがだんろにもえる
うつくしく、ひょうじょうはれいせつで、とらんぷたちがいっせいにせいれつする
こうじょうにしのびこんでいたものです」とせなかをおされAliceはゆかにころげる
どうかかみさま、ひそかにいのりだす。するとついにじょうがくちをひらく

わたしのなまえはAhen、このくにのQueen。このばしょでいったいなにをしている
わたしはAlice、うさぎをおいかけていると、おもいがけずとおいはてにきていました
うさぎ？ああはこびやのうさぎだな。やつはにげあしがはやくぬかりがない
あのうさぎはいったいなにをはこんでいたの？おおあわてでみょうなあせをかいていたわ
そのこたえがしりたいかいAlice？」すてきなめにかげがやどりふてきなえみ
うさぎがはこんでいたのはまほうのこな、まどのそとのあのそらへのはごろもさ
そういってしろいこながつまっている、とうめいのこぶくろをとりだした
そのしろいこなもあのみどりのはみたいに、きもちのあたたかくなるものなのかしら
あのあじなどくらべものにならない、これはこおりのようにつめたいしろものさ
そのひとことがあのことばをよぎらせた
つめたくなってはいけないよ
いらないわ。なんとなくそんなきがするの。いますぐもうかえらせてください
Alice、おまえはひみつのじじつをしりすぎた。このくみのきりつにはしたがってもらう
さあ…さあ

みずうみ、しずかなひにひるさがり
おおきな、きにもたれかかりねむっていたAliceはめをさます
まるですべてゆめだったかのように