バレッタ
キミの髪
大きな蝶が止まってる
バレッタ
羽を立て
気付かれたくなくて
じっとしている
ボクだ
図書室の窓際で
女子たちが声ひそめ
会議中
ヘミングウェイを読みながら
ボクは散らみした
くちびるのその動きを
頭の中でトレースして
さあヒントをもらおうか
偶然目と目が合って
心を覗かれたように
もうボクは発揮あげた
バレッタ
風の中
踊った髪を手で抑え
バレッタ
太陽が
ああ眩しいそうに
目を逸らしたのは
キミだ
昆虫の図鑑には
きっと載っていないって
思ってた
妄想からロマンスが
不意に動き出す
キミたちのその企み
状況証拠並べて
さあ推理してみようか
男子でかっこいいのは
誰かと盛り上がってる
そうボクの視線の先で
バレッタ
キミの髪
大きな蝶が止まってる
バレッタ
羽を立て
気付かれたくなくて
じっとしている
ボクだ
バレッタ
振り向いて
両手で髪を止めながら
バレッタ
キミらしく
いたずらっぽい目で
微笑んだのは
なぜだ